有限会社 小川電機
茨城県ひたちなか市のでんき屋さん
2014-02-11

事業用太陽光発電の考察

先日設置した10.5キロワットの事業用太陽光発電システムについて、投資という観点から検討してみたいと思います。

発電量についてはカタログに掲載されている数字が基準になりますが、ここで考慮しなくてはならないのが発電設備におけるロスです。

カタログには方位南面、傾斜30度においてロスがおよそ22パーセントとして発電量が掲載されています。
これを①、カタログ値(10.5kw換算、年間11360kw)とします。

実際のケースとして、良好な条件下で設置初年度、カタログ値より13%以上多く発電量が得られたケースもあるため条件によって上下する可能性が高いといえます。
この良好な場合の値を②、実例値(10.5kw換算、年間13180kw)とします。

年間売電収入(税別)
①11360kw×36円=408960円
②13180kw×36円=474480円

年間売電収入(税別)/初期投資(税別)
設置費用4125000万円(税別)として
①408960/4125000=9.9%
②474480/4125000=11.5%

回収(税別)
①4125000/408960=10年
②4125000/474480=8.7年

発電にはパワーコンディショナーの設定も大きくかかわります。
通常先述の22%のロスを見込み低く設定しますが、機器の金額を低く出来るならば、発電した電力の無駄がないように設定をパネルの出力に近づけるといいでしょう。

この事例では10.5kWのパネルに対してパワーコンディショナーは10kwの設定にして長期間のピークロス(発電してもパワーコンディショナーの出力を超えてしまい無駄となること)が生じないようにしています。

パネル周辺の気温上昇、経年変化、傾斜角度、周辺環境などを考慮すれば良好な数字ばかり並べる事はできないので一定以上のロスが出た場合を検討してみましょう。

①から20パーセントのロスが継続した場合……③
年間売電収入/初期投資 ③(408960×0.8)/4125000=7.9%
回収         ③4125000/(408960×0.8)=12.6年

①から50パーセントのロスが継続した場合……④
年間売電収入/初期投資 ④(408960×0.5)/4125000=4.95%
回収         ④4125000/(408960×0.5)=20.1年

④のロスで回収に20年かかることになり、20年の固定買取制度を前提とした投資はここで20年の長期における損益がゼロということになります。

④は周辺環境で日照が得られなくなった場合などが考えられます。④は考える必要はないと思いますが、それでも計算上20年で回収だけは出来ることになります。

まとまった初期投資を必要とする事業なので、どのあたりで運用できれば成功なのかは理解したうえで投資することをお勧めします。

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